長野の分杭峠。0磁場スポット&入野谷の瞑想旅行
旅行当日の朝。
ホテルから待ち合わせ場所は、歩いて10分の距離なのに、待ち合わせの場所を書いたFAXを忘れてきてしまって、さっそく迷子になってしまったまつげ。
今回の旅行の世話役であるまっつんが、まつげを探しにきてくれた。
まっつんは、まつげより2歳年上の、高嶋政伸を男前にしたようなN総研の社員だ。
待ち合わせ場所に案内してもらい、やっと、みんなに会えて再会を喜んだ。計24名がバスに乗り込み、いざ、長野の分杭(ぶんくい)峠へ。
「0磁場エネルギースポットで瞑想しよう!」
と、言う怪しげな旅行の始まりだ。
まつげは、正直、エネルギースポットに行って、「ああ、すごい!エネルギーを感じるね!!」なんてみんなではしゃぐのは、ちょっと気分じゃないな・・と言う感じがしていた。でも、N総研の研究会で知り合った仲間達が、一緒に行こうよ!!とメールをくれるので、みんなに会いたくなってきた。いや、ここのところ、感情の起伏が激しすぎる自分を、なんとかしたい。
そんな気持ちもあったかもしれない。
ともしー(旦那)と家族に話すと、快く許可してくれた。バスは、デラックスバスで、久しぶりにみんなと話に花が咲いた。
到着した宿泊先、入野谷(いりのや)は、とてもきれいな建物だった。平成7年に建ったばかり。
実は、入野谷は、行きに買った本「世界のパワースポット」(VOICE)に紹介されていた。地下を掘り下げ、炭柱を基礎として、銅鏡、太極皿、クリスタルなどを生め込み、屋根にはピラミッドを作り、人工的に0磁場を作り出していると言う、すごい建物なのだった。
到着して、みんなでさっそく入野谷の最上階に設けられている、瞑想ルームで瞑想しようということになった。みんな気楽なかっこうで瞑想をはじめたが、まつげは、少しも瞑想状態に入れない。深い呼吸を意識してみるが、すぐに雑念が大きくなってしまう。その上、床は冷たく、室内は寒くてまつげの体は冷えてきた。それでもガマンして目をつむっていたが、とうとう頭が痛くなってきたので、リタイアして、部屋に上着を取りに帰った。
あー、しょっぱなからこれでは、先が思いやられる…。
部屋に帰って、服をたくさん着込んだ。そしてパラパラと本を開いてみたら、パワースポットの楽しみ方、と言う文字が目に飛び込んできた。
「パワースポットでは、起こる事すべてを受け入れましょう」
受け入れましょうか…。頭痛と、生理痛の上に、よくわかんないけど、失恋気分と言う精神状態だけど、まぁ。これも受け入れるっちゅーことで…。
瞑想室に戻ったら、みんな、仰向けに寝転んで瞑想していた。まつげも横になって目をつむった。
瞑想が終り、みんなで食事の時間になった。入野谷の食事は、季節の野菜をベースに、ほんと、おいしいものを食べさせてくれる。瞑想していた何人かが、深く入ったとか、光が見えたとか言っている。瞑想オチコボレのまつげ。実は、あのあと、ぐっすり熟睡していた。
みんな思い思いの話に花が咲いている。まつげは、今回この旅行を主催のかねまん親分、まっつんおしゃべりをしていた。かねまん親分は55歳。虎次郎のような顔をしているが、心底、優しいおじさんだ。
明日の帰りのことについて聞かれたので、帰りは、みんなと一緒のバスだと、最終の飛行機に間に合わないので、パル兄に羽田まで送ってもらうつもりだ・・と言うと、「それなら、間に合う時間に帰ろう!」と言ってくれた。お礼を兼ねて2人の手相を見てあげた。2人が「おもしろいなー。」「当たってるよ!」などと、大きな声で言うので、手相を見て欲しい先生方の行列が出来た。
そのあと、病を治すので有名な入野谷の温泉に、スーパーエステシャンのみどりちゃん、ヒーラー薬剤師の良子ちゃん、オーラが見えるエミちゃん、そしてまつげの4人で入った。みどりちゃんは、まつげの肌荒れのひどさを見て、エステしてあげると言って、お風呂でしてくれた。柔らかい手が、まつげの顔の上をリズミカルに動いていく。温泉の柔らかいお湯。まつげは、来て良かったなーと、しみじみ思った。
入野谷の温泉のお湯は、心まで柔らかくなっていくようだ。こんなお風呂に毎日入っていたら、きっと、ずっと柔らかい心でいられる…。そんな気がした。
部屋に帰ったら、同室のみどりちゃんが、もう1度エステをしてくれると言う。
みどりちゃんは、高校生の子供がいるお母さんだが、初めて会ったときには、まつげより年下だと思ったほど、肌がきれいで、小鹿をイメージさせるようなかわいい顔をしている。
まつげは、こんなきれいな人の言う事なら、なんでも聞いてしまう、と言うほどだ。
ヒザ枕してもらいエステをしてもらう。
「みどりちゃんみたいにキレイになれるかな」
「もちろんなれるよー。お肌かわいそうにね。そばにいたら、必ずきれいにしてあげるのに」
そう言われたとたん、まつげの緊張の糸がぷつん・・と音をたてて切れた。
なんだか、こみ上げてくるものが押さえられず、エステのオイルを塗った顔に涙が伝った。
入野谷の空間は、なんだか不思議な空間だった。ホテルや民宿といえば、たいていはなんだか落ち付かず、夜もなんども目が覚めてしまうのだが、ここは、初めての場所なのに、まるで家にいるかのように落ち付ける。1人でいても不安感もなく、不思議なぐらい安心して熟睡できた。これが、癒しの空間の効果なのかな?同じ部屋のみどりちゃんも、いつもホテルでは不眠症になるのに、すぐに寝付いていた。
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